catch-img

偽装請負で罰金?違法を訴えられる前に知っておかなければならないこと


多様化する働き方に伴い、副業を始める方も、副業者を受け入れる企業も増えてきました。副業需要の増加に伴って、副業者と企業側が請負契約を締結する機会も増えてきましたが、「偽装請負」という言葉をご存知でしょうか?もしも偽装請負を知らずに副業者を受け入れているのであれば、注意が必要です。偽装請負として摘発されてしまえば、厳しい罰則を受けることとなってしまいます。知らなかったでは済まされないのが法律です。偽装請負についてしっかりと知ったうえで、副業者の受け入れを検討してみましょう

目次[非表示]

  1. 1.偽装請負とは
  2. 2.偽装請負と労働者派遣の違いとは
  3. 3.業務請負・業務委託の違いとは
  4. 4.副業の受け入れでも偽装請負に値するケースはあるのか
  5. 5.具体的な請負か偽装請負の判断とは
  6. 6.偽装請負対策のために
  7. 7.まとめ


偽装請負とは


偽装請負とは、形式上(書類上)は請負契約であるにも関わらず、実態は労働者派遣であるものを言います。本来であれば発注企業から仕事を請負、請負側で作業責任者を配置し、労働者がいる場合には労働者に対して指示や命令を出します。ところが、請負側で作業責任者等を配置せず、発注企業から労働者に指示や命令をしてしまうケースがありますが、それは、偽装請負となり違法です。

偽装請負として派遣法に違反してしまった場合には、“許可を受けないで一般労働者派遣事業を行った者”もしくは“特定労働者派遣事業を行った者”として罰則を受けます。許可を受けないで一般労働者派遣事業を行った者に該当した場合には、最高で1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。特定労働者派遣事業を行った者に該当した場合には、最高で6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処されますので注意しましょう。


偽装請負と労働者派遣の違いとは


偽装請負とは、形式上は請負(委託)契約であるが、その実態は労働者派遣であるものを言います。一方で労働者派遣とは、労働者、派遣元、派遣先の三者間で行われている雇用契約です。

労働者派遣は、派遣元に雇用されている労働者が、派遣先に出向き、派遣先に対して労務を提供し、指揮命令を受けます。


画像出典︰厚労省|派遣の働き方

偽装請負と労働者派遣の違いをもう少しわかりやすく言うと、“発注者(派遣先)と受託者(派遣元)の労働者との間に指揮命令関係が生じないということ”です。つまり、労働者の観点から見れば、「発注者から直接、業務の指揮命令を受けているかどうか?」で判断します。もしも発注者から直接、業務に対する指揮命令を受けていれば、偽装請負の可能性が高いと言えるでしょう。

請負の姿は、発注企業と請負企業の二者間契約です。そのため、請負企業で使用されている労働者は本来、請負企業の責任者から指示や命令を受けなければいけません。一方で労働者派遣は、派遣社員として発注企業に使用されます。そのため、指示や命令を出すのは発注企業であるということです。つまり、労働者に対して指示命令を行うのはだれなのか?ということを明確にしておく必要があるということです。


業務請負・業務委託の違いとは


業務請負と業務委託の違いとは、“ゴールの違いと責任の違い”です。業務請負とは仕事の完成(ゴール)まですべてを任され、納品物に対して瑕疵や欠陥があれば、補修を行う瑕疵担保責任が生じます。明確なゴールが定められているため、完璧な納品物を求められますし、中途半端な納品物を提供すれば債務不履行となるので注意が必要です。

一方で、業務委託とは仕事の完成義務は負わず、一般的な注意義務の範囲内で業務を遂行すれば良いとされています。例えば、弁護士であれば、依頼人の要望通りになるよう全力を尽くし、勝訴を取りに行きますが、結果として敗訴してしまう可能性もあります。一方で、建築関係の方であれば、完璧な完成品を求められるため、業務請負契約を締結します。

上記のように、業務請負と業務委託は、ゴールと責任の重さが全く異なるということです。


副業の受け入れでも偽装請負に値するケースはあるのか


副業の受け入れであっても、要件を満たしてしまえば偽装請負に値します。もっとも多い偽装請負が「業務請負(委託)であるにも関わらず、発注者から業務遂行に関する指示を出している」ということです。

先にも解説しましたが、発注者から労働者に対して、業務遂行に関する指示を出すことが想定される場合には、労働者派遣契約を締結しなければいけません。よって、業務請負(委託)であるにも関わらず、発注者が副業者に対して業務遂行に関する指示や勤怠管理を行ってしまうと、偽装請負となってしまいます。


具体的な請負か偽装請負の判断とは


通常の請負か偽装請負かの判断は、指揮監督を行う人、勤怠管理を行う人によって判断されます。請負契約であればあくまでも、請負会社が労働者に対して指示を出しますので、受け入れ会社は請負会社を通してしか労働者に指示を出せません。もしも請負会社を通さずに、労働者に対し指示を出したり勤怠管理を行ったりしてしまうと、偽装請負となります。

請負会社を通さず、労働者に直接指示を出し、勤怠管理を行うのであれば、労働者派遣事業の届出などが必要です。個人として活躍する副業者であれば、副業者自身が請負会社のような役割を担います。よって、自分自身で労働時間を管理し、クライアントからの要望を聞き、業務を遂行します。

ただし、あくまでも個人(副業者)が主体となるので、発注者(クライアント)側から勤怠管理や業務の遂行に関する指示を行うことは認められません。個人(副業者)は、発注者とは別の事業主と考えられるため、過度な拘束や干渉をしてしまうと、偽装請負や雇用として認められるケースがあるので注意しましょう。


偽装請負対策のために


偽装請負対策として有効な手段は下記の4点です。

・発注者とは別事業者(副業者)であること

・請負契約の明確化

・発注者の指示命令をしないこと

・勤怠管理を行わないこと


それぞれ詳しく解説します。

【発注者とは別事業者(副業者)であること】

発注者がいて、別の事業主もしくは副業者として業務を請負わなければいけません。同じ事業主で業務を行う場合には、雇用として認められたり、偽装請負として認められたりしますので注意しましょう。

【請負契約の明確化】

事前に請負契約の内容を明確化しておき、変更が生じた際の手続きについても明確にしておかなければいけません。

【発注者が指示命令をしないこと】

発注者が副業者に対して具体的な指示や命令をしてしまうと、偽装請負となってしまいます。

【勤怠管理を行わないこと】

勤怠管理を発注者が行ってはいけません。個人の副業者であれば本人が、請負会社を挟んでいるのであれば請負会社が行います。


まとめ


今回は、偽装請負について解説してきました。今回解説した内容について改めてポイントをおさらいしておきましょう。


偽装請負とは、形式上(書類上)は請負契約であるにも関わらず、実態は労働者派遣であるものを言い、違反した場合には厳しい罰則がある。

偽装請負と労働者派遣の違いは、労働者に指示や命令を出す人は誰かにより判断ができる。

業務請負・業務委託の違いは、ゴールの違いと責任の違い

副業の受け入れでも偽装請負に値するケースはあるので注意が必要。

・通常の請負か偽装請負かの判断は、指揮監督を行う人、勤怠管理を行う人によって判断判断されるケースが多い。

・偽装請負対策は①発注者とは別事業者(副業者)であること②請負契約の明確化③発注者の指示命令をしないこと④勤怠管理を行わないことの4つです。しっかり守りましょう。


偽装請負として判断されてしまった場合には、厳しい罰則を受けることになってしまいます。法律は「知らなかった」で済まされるものではありませんので、しっかりと対策をし、偽装請負にならないように注意しましょう。


週間アクセスランキング

1

スタートアップ企業にて副業社員活用により事業加速|media Kasooku

株式会社BUBはWEBマーケティング・ミドル人材の採用に副業写真を活用。スタートアップ期の企業こそ副業社員活用を進めることのメリット、より上手く機能させるためのコツ、活用するうえで持つべき企業マインドについて同社代表取締役CEO一戸悠人氏より伺う。

2020年03月25日 12:00更新: 2020年04月28日 17:08

2

副業者のパフォーマンス発揮に欠かせない事は”熱量”の共有と語る理由とは

株式会社Kaizen Platformは創業当初から「21世紀の新しい働き方」をテーマに多様な働き方を受け入れ、正社員にこだわらない雇用形態を多数取り入れています。今回は、同社役員でありながら、ご自身も会社に所属しながら会社を立ち上げていらっしゃる栄井徹トニー氏に副業活用の秘訣や、今後の副業市場に関してお伺いしてきました。

2020年04月13日 12:00更新: 2020年05月25日 12:54

3

大手新規PJこその課題解決‐副業者活用により新しい営業体制の構築が実現‐

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社では、2015年より社内の新規事業プロジェクトとして、社内外のユーザーとのチャットや、ファイル、タスクの共有を簡単に行うことができるビジネス向けコミュニケーションサービス「tocaro(トカロ)」をリリース。この度は、こちらの事業部で副業者を採用頂いており、情報通信第3本部 技術統轄部 Tocaro製品責任者兼コンサルタント 松田賢司氏に副業者活用の実態や成功のポイントをお伺いしてきました。

2020年05月22日 13:00更新: 2020年05月22日 13:36

4

「経営者・事業者を目指す入り口として副業を」と語る理由~副業者のPM登用事例から~

クレディ・テック株式会社は、2020年4月に出張整体プラットフォーム「みんなのせいたい」をローンチしました。今回は、サービスローンチまでの1年間、事業戦略、開発プロジェクトマネージャーとして副業者を採用して頂いた事例です。以前から外部人材を積極的に活用されている同社 代表取締役 村上 年範氏に、副業者の活用における成功のポイントを伺いました。

2020年06月09日 12:00更新: 2020年06月12日 14:32

5

副業者の活用によりアプローチ難の大手企業への開拓が実現!

株式会社ジーニーでは、社内に多様な雇用形態の方が就業していらっしゃいます。今回は、営業社員の増員採用の為に正社員ではなく、副業社員を導入された背景や結果と、副業社員を活用するためのポイントを同社取締役廣瀬寛氏と事業開発本部兼営業統括本部第二営業部部長廣川直己氏にお伺いしてきました。

2020年04月10日 12:00更新: 2020年04月10日 14:04