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「経営者・事業者を目指す入り口として副業を」と語る理由~副業者のPM登用事例から~

クレディ・テック株式会社は、2020年4月に出張整体プラットフォーム「みんなのせいたい」をローンチしました。今回は、サービスローンチまでの1年間、事業戦略、開発プロジェクトマネージャーとして副業者を採用して頂いた事例です。以前から外部人材を積極的に活用されている同社 代表取締役 村上 年範氏に、副業者の活用における成功のポイントを伺いました。

※緊急事態宣言中に実施したインタビューであるため、お写真は緊急事態宣言前の物を使用しております。

【会社/事業説明】

クレディ・テック株式会社は、『信用に値する(Credit)技術(Tech)で価値を創出する』ことを理念としています。プラットフォーム事業(整体師と顧客とのオンラインマッチングサイト運営)、店舗事業(EMSに特化したオリジナルリラクゼーションサロン運営)を展開しています。

プラットフォーム事業の「みんなのせいたい」は、ファン (利用者)がバディ(施術師)とすぐに繋がり、オーダーメイドの出張整体サービスを、ご自宅など希望の場所で受けられる、国内最大級のヘルスケアネットワークです。

目次[非表示]

  1. 1.類似サービスを提供する会社に就業中で、営業~開発~管理の経験がある方をスピード採用
  2. 2.期待値を超えるパフォーマンスも?
  3. 3.副業者の活躍は「事業と経営者へのロイヤルティ」で決まる
  4. 4.フリーランスは「アメリカ人」!?

類似サービスを提供する会社に就業中で、営業~開発~管理の経験がある方をスピード採用


副業者を採用しようと思った背景を教えてください。


出張整体プラットフォーム「みんなのせいたい」を開発するにあたり、IT業界の幅広い知識、経験をお持ちの方から第三者的な立場で助言を頂きたいと思ったのが採用のきっかけです。

私はもともとヘルスケア業界に居て、整体院を経営する中で感じた業界の「負」を解消するため、「みんなのせいたい」プラットフォームの立ち上げを決めました。しかし、私自身が初めてのIT業界参入であるため、開発予算、開発工数、開発スケジュールなどに妥当性があるのか判断することの難しさを感じていました。

その際に、自社サービスと似たサービスを提供する会社で営業~開発~管理の経験をお持ちの方を副業者としてご紹介頂きました。この方は、理系で開発サイドの知見をたくさんお持ちで、ビジネスサイドの見識も兼ね備えている方であり、すぐに採用を決めました。自社では営業の強みはあるものの、テック系のサービス開発については知見が足りなかったため、とてもバランスが良いと思いました。また、類似サービスに携わられてきたご経験から幅広く情報提供してくださるだろうと期待が持てました。


具体的にどのような業務を依頼しましたか。


当初は、週1にて社内MTGに参加して頂き、開発業者とウォーターフォール型で進む開発工程(開発予算、開発工数、開発スケジュール、要件定義など)に問題が無いかの確認と助言をお願いしていました。

昨年の秋ごろからは、具体的にポータルサイトを構築するフェーズに入り、開発プロジェクトマネジメント業務に加えて、今後の事業展開を検討するにあたり事業戦略についても助言をお願いすることにしました。もちろん、いままでよりも責任範囲が大きく、稼働時間も長くなるため報酬もプラスしました。お陰様で、構想に2年半、開発に1年半かけたサービスを、この春ローンチすることができました。


期待値を超えるパフォーマンスも?


今回、副業者を活用されてみていかがでしたか。


期待値を超える部分が多くありましたね。経営会議の中で事業戦略の相談をしていましたが、事業の方向性がぶれそうなときに、本来の事業理念に立ち返ることができる問題提起を多くもらい、とても助かりました。もちろんすべての副業者ではなく、今回お願いした方が良かった側面が強いと思いますが、期待以上の成果を返してくれる方に出会えて良かったです。どうしても人によりスキルや経験のバラつきがあることは、これまでも感じてきましたので。


副業者を活用されてみて、失敗事例もありましたか。


そうですね、過去には、副業者採用で失敗したことも勿論あります。面談時には「やります!できます!」というような方でも実際にアウトプットが出てこないなど、「口と行動が伴わない」方を採用してしまったり・・・。副業者の場合、本業の空いた時間で進めることが前提であるため、アウトプットが見えない、出ないでは厳しいですね。

そのため、こちらから求める成果を明確にし、その時々で評価をお伝えしながら2、3ヶ月は様子をみて、変わらないようであれば継続は難しいかなと判断していました。リスクを完全になくすことは難しいと思いますが、極力減らせるように、業務の進捗状況は常に見えるようにしておき、役割を明確にしたうえで、やると決めたことはどのようなアウトプットになっているのか細部まで見ておくことがポイントだと思いますね。


副業者を受け入れる際に気を付けるべきポイントはどこでしょうか。


業務委託の方とすすめた業務は、社内でノウハウ化できてこそ価値があると考え、すべてのナレッジについて内製化していく前提で進めています。特に、プロジェクトで発生したナレッジ(たとえば広告にまつわるデータやコラム内容など)については、自社に帰属する契約にしています。途中で業務委託の方が辞めた場合でも次の方に引き継げるように、ナレッジを自社内に溜めていけるようにしたいからです。

また、副業者に使っていただくSNSアカウント、ツールのアカウントなども、全て自社所有のアカウントを発行しています。


副業者の活躍は「事業と経営者へのロイヤルティ」で決まる

副業者の方と良好な関係性を保つ秘訣は何でしょうか。


「事業と経営者へのロイヤルティ」はとても大切だと思います。フリーランスの方は報酬だけではなく、自分のナレッジ、スキルを誰に割くか、ある意味「選べる」側でもいらっしゃいます。そこで、大前提としてその事業が好きか、経営者が好きかが大切だと思います。業務への報酬額は、最終的に相互に納得感があれば問題ありません。しかし、報酬を前提とした契約関係で終わることなく、社内の人と同じように相互理解とコミュニケーションを真摯に行うことで、良い関係を築けるのかと思います。

また、事業理念への共感もポイントです。特に、我々のサービスのような、社会貢献性や新規性が強い事業モデルの場合、そこに興味と当事者意識を持って頂くことは、社内・社外の垣根なく大切にしたいですね。


「みんなのせいたい」を開発された背景について教えてください。


もともとは、私自身が経営していた整体院の、社員の「給与アップ」のために何ができるか考えた末に生まれたビジネスアイデアでした。これは業界全体の「負」にまつわる話ですが、要は、店舗を構えることを前提とした整体院の経営では、固定費や時間の制約があるため売り上げのアッパーが決まっており、どうしても従業員の給与を大幅に上げていくことが難しいと感じていたんです。現に、今回のコロナのような状況下では、店を畳み行き場を失う整体師の方も多くいらっしゃるようです。

そのような状況下でも、オンラインで直接自分たちの腕を信頼してくれる顧客と繋がることができれば、労働集約型から脱却して、店舗を持つ必要もなく、自分で、報酬も働く時間も決められます。整体師の方に、「このサイトさえあれば、自分の腕でお客さんを獲得し、収益を伸ばしていける」と感じて頂ける未来が理想ですね。自分の力だけで仕事が取れるのであれば、どのような社会情勢になっても揺らぐことがなくなると思います。

また、今後の日本社会は少子高齢化や女性活躍が進みますから、家から出づらい高齢者の方や、産前産後ケアを望まれる女性のニーズも高まるでしょう。そうした「通院困難」な方々に応えていけるという点で、訪問型(出張型)のヘルスケアサービスは社会的意義が大きいですし、リモートワークが主流になってきて日本人の慢性的な肩こり・腰痛も増えていますから、社会全体のウェルネスサポートを担うサービスにしていきたいと考えています。


事業や経営者へのロイヤルティを高めるために気を付けていることはありますか。


特別意識しているわけではないですが、外部や業務委託の方々から良く言われるのは、「めちゃくちゃ人の話を聞く社長ですね(笑)」ということです。自覚があったわけではないのですが、理由を考えると、私は、自分が無知だと思っているからだと思います。特に今回のIT領域に関しては知見が薄かったので、分からないことを自覚し、周りの意見を積極的に受け入れて、事業理念などにブレていなければ積極的にGOを出しました。この連続によって、当社の事業に興味を持っていただけるし、アドバイスも貰える、ロイヤルティも高めていただける、という好循環に繋がっていると思いますね。


フリーランスは「アメリカ人」!?

副業者(業務委託契約の方)と接するときに気を付けていることはありますか。


業務委託の方は「アメリカ人」だと思って接しています。アメリカ人の働き方として、プロ意識を持ってアウトプットする代わりに、報酬がはっきりしていないものはやらないし、儲からないもの・嫌いなものはやらない方が多いと思います。業務委託としての契約を結ぶ以上、アウトプットで報酬の評価を行うのは当たり前という点で似ていると思います。

更に細かく分けると、同じ業務委託の中でも、副業の方よりもフリーランスの方のほうが更に「アメリカ人」に近いかもしれません。タイムチャージ、タイム管理、アウトプットに対する意識が高いと思います。

副業は本業の空いた時間を使うことが前提となるため、本業が忙しくなると副業がおろそかになる方もいらっしゃいます。意識レベルでそうなると行動も鈍ってしまい、コミットメントに違いがでます。

本業をどうしても優先する前提があるため、この差をどう担保するのかが大切ですが、そこは活用の仕方次第で解決すると思います。やる気ではなく責任領域を明確にし、この仕事はこれぐらいの時間拘束になるという見立てを立ててあげることが大切であり、契約前にすり合わせを行うことがポイントですね。

また、役割を明確にしておくため、あれもこれも任せるではなく、当初の契約以上の業務が発生した際には追加の費用が発生するのは当たり前だと意識しています。実際、マーケティングで採用した方が、広報も得意な方であったためお願いをし、報酬を増やした経験があります。「なんとなくこの業務、報酬」というぼやけた状態で進めることは無いようにしています。


今後の副業市場はどのように変化すると考えますか。


今の時代だからこそ、社内の正社員だけでノウハウを蓄積・内製化する必要は必ずしも無く、外部の方をうまく活用して一つのチームをつくり、事業者が考える方向性で事業を進めることが可能になっていると思います。

また今後、個人事業主はどんどん増えるとも思いますから、どこにも属さなくても「個の力をつけること」の重要性は増していくと思います。

「みんなのせいたい」も、お店のスタッフとして働く整体師さんに「副業」ツールとして活用して頂き、成功体験を詰んだうえでフリーランスとして独立していただきたいです。さらにいうと、お店の有る無しに関わらず稼げることを知り、人を雇えることを知り、経営者としての資産を増やしていただきたいですね。
副業は単なる入口だと思います。副業によって自分の市場価値を知り、高めていくことができれば、一人でもやっていけるという感覚と成功体験が生まれるはずです。それが、独立への確かな一歩になると思いますね。

これからは、「経営者・事業者を目指す入り口として副業する」という切り口も広がっていくのではないでしょうか。


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